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本革と合皮の見分け方を知ろう|メリット・デメリットや毛穴・断面から見極める方法

本革と合皮の見分け方を知ろう|メリット・デメリットや毛穴・断面から見極める方法

2023.8.31

本革と合皮の見分け方は、革の質感やにおい、断面などがカギを握っています。タグやマークなど、目印となる比較要素があるものもありますが、判断がつきかねる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、本革と合皮の見分け方を解説していきます。それぞれのメリットやデメリットを知りたい方や、良い本革を見分けたい方も要チェックです。


本革と合皮の違いとは?それぞれの特徴を解説

本革と合皮の見分け方をマスターする前に、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。一見すると似ていますが、元々の素材や作り方、呼び名などに違いが見られます。

まずは、本革と合皮について解説していきます。

本革とは「牛や豚の皮をなめした天然皮革」

本革とは、動物の皮をなめして作った天然皮革です。牛革や豚革、馬革、ヤギ革、ヘビ革など、実に多くの種類があります。フランスやイタリアなど、ヨーロッパ諸国で多く生産されているのも特徴。バッグや靴、小物など、さまざまなアイテムに加工されています。

合皮とは「布に合成樹脂を塗った人工皮革」

合皮とは、本革と反対の非天然素材です。ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニールといった合成樹脂を布に塗り重ねて、革の質感や風合いを出したものを指します。プラスチックやビニール素材に近く、PUレザーやフェイクレザーと呼ばれるのが一般的です。

本革と合皮の見分け方について

本革と合皮は似て非なるもののため、違いを知っていても判断がつきにくい場合も多いです。迷ったときは、タグやマークを確認するほか、おさえたいポイントが複数あります。

そこで次に、本革と合皮の見分け方をご紹介します。

革に触れて確かめる

本革か合皮か迷ったときは、できれば革に直接触れてみてください。本革であればしっとりした質感を覚え、合皮であればビニールを触ったときのように弾く感じがあったり、必要以上にふかふかした手触りだったりします。

また、本革の場合、触ったところがやや凹んだり、手や指の跡が付いたりするケースが一般的です。直接手に取って良い場合は、触って質感を確かめてみることをおすすめします。

タグやマークで確認する

本革と合皮の見分け方のうち、最も確実なのがタグやマークを確認することです。中古の革アイテムの場合は外されていることも多いですが、付いていれば天然皮革である本革か合成素材である合皮かは一目瞭然といえます。

においを嗅いでみる

顔を近づけてにおいを嗅いでみるのも、本革と合皮の見分け方のひとつ。本革は動物の皮をなめして作った独特のにおいがする一方、樹脂を塗って仕上げた合皮はビニールのようなにおいだったりにおいがほとんどなかったり、感覚がそれぞれ異なります。

ただし、店頭でにおいを嗅ぐのは抵抗がある方も多いもの。それでもにおいを確認したい場合は、店員さんに一言声をかけておくとスムーズです。

革の表面・断面で判断

革製品の上級者であれば、革の表面や断面から見分けるのも一案です。天然素材である本革の表面には、動物の皮由来の毛穴や血筋、しわ、キズなどを確認できるケースがあります。一方、合皮は人工的に作られているため、毛穴や血筋は見られません。加工でしわを演出している場合もありますが、規則性があるものが多いため見分けやすいです。

また、本革の断面は、動物のさまざまな繊維質が絡まり合ってできているため、層が断絶せずなめらかに続いていたり、毛羽立ちが見られたりするのが一般的です。一方、樹脂を上から塗っている合皮は、断面にくっきりとした境目を確認できます。

革を曲げてシワを見る

本革と合皮の見分け方には、革を折り曲げてシワの状態を見てみるという方法もあります。本革を折り曲げると自然な細かいしわや毛穴が浮かび上がってくる一方、合皮は真っ二つに降り曲がってしまったり、深いしわが入ってしまったりすることも珍しくありません。表面がのびる・まったく折れない場合もあり、差は折ってみると分かりやすいです。

ただし、本革であっても、深く折りすぎるとしわが刻まれやすくなってしまいます。折って確かめるときは、軽く折るのを意識してください。

本革と合皮のメリットとデメリットとは?

本革と合皮では「本革の方が優れている」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。シーンや好みに合わせて選ぶことが重要です。

そこで次に、本革と合皮のメリット・デメリットをお伝えします。

本革のメリットは「お手入れしながら長く愛用できる」

本革のメリットといえば、長持ちで経年変化を楽しめることです。お手入れすることで色や艶といった風合いが増すため、長く使うほどに愛着がわくこと間違いありません。10年程度持ち、お手入れ次第で自分だけの革アイテムに育てられるメリットもあります。

本革のデメリット「メンテナンスの手間がかかる」

本革のデメリットとしては、お手入れが必須なことです。自分なりの風合いを追求できるのはメリットですが、特に水や湿気に弱くメンテナンスが欠かせません。また、稀少性の高い動物の皮を使って作られているため、価格が高くなる傾向にあるのもデメリットです。

合皮のメリット「メンテナンス不要で比較的安価」

合皮のメリットは、大掛かりなメンテナンスが不要な点です。天然素材ではないため気温や湿度の変化に比較的強く、汚れにくいのもメリットのひとつといえます。また、一般的に軽い傾向にあるほか、本革より費用を抑えられるのも利点です。

合皮のデメリット「表面がべたつくなど劣化しやすい」

合皮のデメリットといえば、経年劣化しやすいところです。合皮に使用される合成樹脂は空気中の水分と結び付く性質があるため、劣化が進みやすいといわれています。2~3年程度で表面がべたついたり、剥がれてきたりする可能性が高いのがデメリットです。

良い本革を見極めるコツを公開

たとえマークやにおいで本革が分かったとしても、すべてが良い本革とはいえません。さらに、素人であれば、それが上質かどうかは判断がつきかねます。

そこで最後に、良い本革を見極めるためのコツを2つご紹介します。

縫製が丁寧でしっかりしている

良い本革かどうかは、細部に現れるといえます。負担のかかりやすい持ち手や底などの縫製がしっかりしていて、丁寧に縫われているかチェックしてみてください。ミシンで縫えないような細かいところが手縫いされていることも、上質な本革である証です。

革の断面が磨き上げられている

本革と合皮の見分け方で言及した革の断面は、良い本革の手掛かりにもなります。革の断面を処理する方法はふたつあり、薬剤を使った断面は良い状態をキープできません。手で磨き上げた本革こそ、長持ちに関わる上質の目印です。

本革と合皮の見分け方はタグ表示とにおい・断面にあり

本革と合皮の見分け方には、革の表面や質感、折ったときのしわなど、手掛かりになるポイントが複数あります。なかでも素人が分かりやすいのが、タグやマークの表示とにおい、断面からの判断です。

レザーマークや「◯◯革」といった表示があれば本革、ビニールや無臭に近いにおい、もしくは断面がくっきり二層に分かれているなら合皮と見分けられます。

本革・合皮ともにメリット・デメリットはありますが、本革を選びたい方は細かい部分の縫製や断面処理の丁寧さもチェックすれば、より良い革アイテムを入手できるはずです。

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