「ドレスコード」とはどんなもの? それぞれの着用シーンで知っておきたい7種類
2023.7.31
結婚式や高級レストランで定められているドレスコード。フォーマルやスマートカジュアルなど、言葉は耳にするものの、具体的なルールを知らない人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ドレスコードの種類とそれぞれの服装や着用シーンをご紹介します。パートナーの分と合わせて、女性・男性ともに知っておきたい人はぜひご覧ください。
目次
「ドレスコード」とは?いまさら聞けない言葉の意味
「ドレスコード」とは、分かりやすくいうと「服装規定」のこと。TPOに沿った服装をとよく耳にするかもしれませんが、ずばりT(時間)・P(場所)・O(場合)にふさわしい装いのラインやルールのようなものです。
例えば、結婚式にゲストとして招かれたときに、招待状にドレスコードが記載されている場合があります。会場の規模や式典の格式高さによって、服装のマナーはそれぞれ異なります。それらを取りまとめ、基準を記したものがドレスコードです。
ドレスコードの必要性について
ドレスコードはなぜ必要かというと、主催・ゲストを含め心地よい時間を過ごすためです。会場やお店側で決められてはいるものの、決して相手都合ではありません。参加者全員にドレスコードを提示することで、服装選びに失敗して気まずい思いをさせないよう配慮する目的があります。つまり、ドレスコードは服装規定による心遣いといえます。
ドレスコードの種類は7パターン
ドレスコードは、大きく分けて以下の7種類があります。
ドレスコード | 主な着用シーン | 服装 |
---|---|---|
フォーマル | 結婚式(主催・媒酌人)、記念式典 | 正礼装 |
セミフォーマル | 結婚式(ゲスト)、祝賀会、入卒園式 | 準礼装 |
インフォーマル | 結婚式(ゲスト)、発表会、パーティー | 略礼装(平服) |
スマートエレガンス | カジュアルウェディング(ゲスト)、食事会 | |
カジュアルエレガンス | 結婚式の二次会(ゲスト)、パーティー | |
ビジネスアタイア | ビジネス関連の式典、パーティー、株主総会 | |
スマートカジュアル | レストランでの食事会、学校行事 |
「フォーマル」「セミフォーマル」「インフォーマル」の3つが、いわゆる冠婚葬祭に求められる「フォーマルスタイル(礼装)」です。その下4つを含め、上から下にかけて服装はカジュアルになっていくと覚えておいてください。
ドレスコードの総称と着用シーンはなんとなく分かったものの、実際にどんな服を選ぶべきか迷うといった人も少なくないでしょう。そこで次に、ドレスコードの種類ごとにピックアップし、NG例を含め、適したコーディネートを紹介していきます。
ドレスコードのなかで最も格式高い「フォーマル」
「フォーマル」とは、フォーマルスタイルのなかで最も格式高いドレスコードのこと。結婚式を主催する新郎新婦やその家族、媒酌人に求められます。また、あまり機会は多くないかもしれませんが、国が主催する記念式典への出席にも守るべきドレスコードです。
フォーマルの服装(1)結婚式編
フォーマルにおける、結婚式での服装例は以下の通りです。
- 花嫁:ウェディングドレス/白無垢/色打掛/引き振袖
- 花婿:タキシード/五つ紋付羽織袴
- 新郎新婦の母、媒酌人(女性):黒留袖
- 新郎新婦の父、媒酌人(男性):モーニング/燕尾服/黒紋付き袴
新郎を除く、男性のフォーマルは、昼の式ではモーニング、夜の式ではテールコートと呼ばれる燕尾服を着用するのが基本です。スーツの着用を希望される人も多いですが、正礼装にあたるフォーマルでブラックスーツを選ぶのは避けなければなりません。
フォーマルの服装(2)記念式典編
フォーマルにおける、記念式典に出席するときの服装例は以下の通りです。
- 女性:アフタヌーンドレス/イブニングドレス/振袖/留袖
- 男性:モーニング/燕尾服
女性の記念式典でのフォーマルは、式典が昼であればアフタヌーンドレス、夜であればイブニングドレスを着用してください。いずれの時間帯もドレスに変わりありませんが、暗い時間帯の夜の式典では、華やかで煌びやかなコーディネートにするのがルールです。
昼の式典では、長袖か七分袖で裾はくるぶし丈、襟元は大きく開いていない形がよしとされています。全体的に露出が少なく、控えめなデザインが基本です。一方、夜の式典では背中や肩が大きく開いたデザインで、ヒール丈の華やかなドレスを選んでください。光沢感のあるストールやケープをまとっても構いません。昼夜で服装が逆転するのはNGです。
結婚式ゲストのうち最も格式高い「セミフォーマル」
「セミフォーマル」は、結婚式にゲストで参加するときの、最も格式高いドレスコードです。結婚式や披露宴、祝賀会などのドレスコードを指し、準礼装とも呼ばれます。
さらに、入卒式に着用するセレモニースタイルもセミフォーマルに該当します。
セミフォーマルの服装(1)結婚式編
セミフォーマルにおける、結婚式の服装例は以下の通りです。
- 女性:セミアフタヌーンドレス/セミイブニングドレス/カクテルドレス
- 男性:ディレクターズスーツ/タキシード
格式高い結婚式にゲストとして招かれた場合、昼の式なら女性はセミアフタヌーンドレス、夜の式ならセミイブニングドレスもしくはカクテルドレスを着用するのが基本です。
セミアフタヌーンドレスは膝丈もしくは膝下丈ながら、高級感がある無地の素材がおすすめ。袖丈に決まりはありませんが、ドレスがノースリーブならジャケットなどを羽織って露出を控えてください。また、セミイブニングドレスはセミアフタヌーンドレスよりワンランク上の華やかさがあり、光沢感のある素材でつくられているのが一般的です。
また、男性の場合、昼の式では黒のジャケットにモーニングのコールパンツを合わせたディレクターズスーツが好ましいです。通常のスーツよりワンランク上の装いとなり、格式高い結婚式にマッチします。夜の式ではタキシードを着用してください。
セミフォーマルの服装(2)祝賀会・入卒式編
セミフォーマルにおける、祝賀会や入卒式の服装例は以下の通りです。
- 女性:スカート・パンツ・ワンピースなどのスーツスタイル
- 男性:ブラックスーツ/ダーク系カラーのスーツ
男女ともに、ラインがキレイに出るスーツスタイルが一般的です。女性はスカートやパンツ、ワンピースに、ジャケットを合わせてください。スーツのカラーは男性こそブラックやネイビー、グレーなどダーク系が基本ですが、女性は白やベージュなど明るい色を選んで華やかさを添えたスタイルもTPOにマッチするとみなされます。ジャケット以外に、鞄やコサージュ、アクセサリーでアクセントを加えるのもおすすめです。
“平服”にあたるドレスコード「インフォーマル」
「インフォーマル」は、フォーマルスタイルのうち最もカジュアルなドレスコードです。結婚式のゲスト側や発表会、パーティーなどでは、とくに指定がなければインフォーマルの服装と覚えておいてください。いわゆる「平服」も、インフォーマルにあたります。
- <服装例>
- 女性:スカート・パンツのスーツスタイル/ワンピース
- 男性:ブラックスーツ/ダーク系カラーのスーツ/スリーピーススーツ
インフォーマルのドレスコードでは、時間帯による違いはありません。昼夜通して、女性・男性ともに、セミフォーマルにおける祝賀会や入卒式と同等の服装です。
ただし、セミフォーマルよりはカジュアルのため、女性は裾がふんわり広がるドレスや、ジャケットではなくボレロを羽織るスタイル、少し華やかなワンピース1枚のみの着用でもOK。男性はスリーピースの着用や、淡い色のカラーシャツを合わせても構いません。
フォーマルに次ぐ準略礼装「スマートエレガンス」
「スマートエレガンス」は、厳密にいうとフォーマルにはあたらないものの、インフォーマルに準ずるドレスコードです。準略礼装と呼ばれることもあり、カジュアルウェディングのゲストや、ホテルのレストランで行われる食事会に参加するときに着用します。
- <服装例>
- 女性:スカート・パンツのスーツスタイル/ワンピース
- 男性:ダーク系カラーのスーツ/ジャケット+パンツスタイル
フォーマルスタイルより自由度の高いスマートエレガンスでは、上品でおしゃれにまとめることを意識してみてください。女性は肌の露出を控えながらも、フレアーやプリーツ、レースといった華やかでトレンド感のあるデザインが好ましいです。
また、男性はダーク系カラーのスーツに加え、セットアップではなく、ジャケットとパンツを別々に組み合わせるスタイルもスマートエレガンスならでは。着用シーンを想像しながら、より雰囲気にマッチするコーディネートを考えてみてください。
結婚式の二次会やパーティーに「カジュアルエレガンス」
「カジュアルエレガンス」とは、明確な規定はないものの、スマートエレガンスと比べてややカジュアルなドレスコードのこと。結婚式の二次会やちょっとしたパーティーなど、フォーマルまではいかないけれど、やや特別感のあるシーンで着用します。
- <服装例>
- 女性:ブラウス+スカート/パンツのアンサンブル/ワンピースなど
- 男性:ダーク系カラーのスーツ/ジャケット+パンツスタイル
スマートエレガンスよりワンランクカジュアルなワンピースやセットアップ、ブラウスにスカートといったスタイルが定番。男性はスマートエレガンスとそう変わりません。ただし、カジュアルとはいえ、デニムにスニーカーなどはラフすぎるためNGです。服装だけでなく、鞄やアクセサリー、靴などのいずれかできちんと感を演出してください。
ビジネス関連のドレスコード「ビジネスアタイア」
「ビジネスアタイア」とは、ビジネス関係のシーンに求められるドレスコード。「アタイア」とは「服装」のことで、直訳すると「仕事着」です。企業主催の式典やパーティーなど、ビジネスシーンのなかでも大切な場面で求められます。
- <服装例>
- 女性:スカート・パンツ・オールインワンタイプのスーツ
- 男性:上下揃いのビジネススーツ
ビジネスシーンに着用するため、男女ともにスーツが基本です。とはいえ、パーティーなどでは華やかさもポイントとなるため、女性はスカートやオールインワンタイプのスーツが良い場合もあります。服装選びに迷ったら、セミフォーマルやスマートカジュアルに準じるラインにするのが無難です。
また、男性は普段のビジネススーツに、淡い色のシャツや控え目なストライプ柄のネクタイを合わせて、やや華やかにまとめることをおすすめします。
フォーマルとカジュアルの中間「スマートカジュアル」
「スマートカジュアル」は、フォーマルとカジュアルの中間にあたるドレスコード。フォーマルほどではないけれど、きちんと感は守りたいシーンにふさわしい服装です。レストランでの食事や、セレモニー以外の日常的な学校行事に適しています。
- <服装例>
- 女性:ワンピース/パンツのセットアップ
- 男性:ジャケット+パンツ
女性のスマートカジュアルに迷ったら、ワンピースを選ぶのが好適。ブラックやネイビーなどのベーシックカラーで、裾が適度に広がるワンピースなら幅広いシーンに合います。ジレやセットアップを取り入れ、トレンド感を出すのも一案です。また、男性はジャケットとパンツを組み合わせたジャケパンスタイルを意識すると間違いがありません。
ドレスコードに沿った装いでまとめよう
結婚式や学校行事など、シーンごとに定められているドレスコード。指定がないときも、シーンにふさわしいドレスコードを意識すると失敗が少ないです。最も参加する機会が多いであろう一般的な結婚式への参加時には、女性はパンツやスカートのスーツもしくはワンピースを、男性はブラックスーツやダーク系カラーのスーツを選んでください。女性の場合、カジュアルウェディングや二次会、パーティーに適したドレスコードでは、華やかさも大切です。シーンに溶け込む、おしゃれで上品な装いを目指してみてください。